茨城県東海村のウラン燃料加工施設「ジェー・シー・オー」東海事業所で9月30日に発生した事故は、日本で初めての臨界事故であり、史上最悪の事故となりました。
重症を含む被ばく者は従業員、救急隊員、住民計49人に達しました。半径350メートル以内の住民の避難をはじめ、10キロ圏内の屋内待避、久慈川の取水中止、保育園、幼稚園、小・中・高校の休校、図書館の休館、交通機関の停止、各種機関や企業・商店の休業など、深刻な事態を生じました。
今回の事故はその経過とともに、「ジェー・シー・オー」事業所の安全無視の操業・管理、事故対策の無策など、驚くべき実態が明らかになっています。この状況を生み、支えてきたのが政府、電力会社の無責任な「安全神話」にあることは事実が示すとおりです。政府の「安全審査」では、宏ラン燃料加工施設では臨界事故が起こりえないとされて、臨界事故の未然防止対策も、事故発生後の影響緩和対策もまったくとられていませんでした。
今回の臨界事故は、核分裂反応が暴走して臨界爆発にいたれば、さらに、悲惨きわまりない事故に発展する危険性がありました。国民は強い衝撃と不安にさらされています。
しかし、「安全神話」の影響は今回の事故に限りません。政府、電力会社は、現在、運転中の原発において、構造的に炉心溶融にいたる過酷事故(シビアアクシデント)の発生を排除できないにもかかわらず、過酷事故は起こりえないと島て、過酷事故対策については「安全審査」の対象外として、緊急時の原子力災害対策もないままに放置しています。 今回の事故は、それが関連施設にとどまらず、原発、再処理工場など基幹的原子力施設においてもいつ重大な事故がおこるかわからないというきびしい警告となりました。
私たちは、この立場から、次の事項について、緊急に申し入れます。
記
1.事故による被害者の救済と、事故原因の徹底究明、再発防止に万全の対策を
2.過酷事故対策と原子力災害対策の確立は急務
3.国の「安全審査」体制、原子力行政を根本的に見直すこと
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