―1年間の「着実な前進」を確認し 21世紀につなぐ課題と方針をきめる―

 全国センターが結成されてからまる一年を経過した12月15日、第2回総会が東京・全国教育文化会館で開催され、北海道から九州まで各地方・地域の組織、加入団体の代表と個人会員、傍聴者等130名が出席しました。 不況とリストラの嵐の中でこの一年間、加入組織・会員はもとより全国センター誕生に熱い期待をよせる多くの関係者の方々の協力によってつくり出された到達点をしっかりとふまえ、21世紀にむけての更なる前進を期して二年目の活動をスタートさせるための重要な第2回総会は、堤浩一郎副理事長の開会あいさつで始まり、稲木健志(神奈川センター)、吉良多喜夫(自治労連)両氏を議長に選出して進行されました。 議事運営委員会・資格審査委員会の各3名の委員を任命。

 

  冒頭の理事長あいさつに立った山田信也理事長は、地方・地域センターの相次ぐ結成、東西セミナー・全国交流集会の成功、研究会活動や過労死・じん肺のたたかいの前進など、多くの成果をあげてきたことをふまえつつ、一年間の活動をつうじて明らかとなってきた働くもののいのちと健康を守るうえでの大きな課題を考えた時、「使用者責任」を厳しく追及する運動の強化をあわせ、主体的な運動を発展させる重要性、それを育てる全国センターの役割をあらためて強調しました。 来賓として、韓国源進職業病管理財団・朴賢緒理事長、過労死弁護団全国連絡会議・岡村親宜代表幹事、全国じん肺弁護団連絡会議・土田庄一事務局次長の三氏から連帯のあいさつがあり、日韓の連帯・交流、過労死・じん肺の根絶にむけた連携の強化が述べられました。 続いて、「戦後の職業性中毒の取り組みをふりかえって」と題する原一郎先生の記念講演がおこなわれました。スライドを使った講演では、現在5万種類をこえる化学物質が使用されているが労働衛生上の規制物質は僅か百十数種類であり、これまでの健康診断で異常者を発見するという後追い対策では中毒防止にならない、有害性・暴露状況の調査、職場環境・作業の改善を基本にすべきである、そのための自主的な取り組みを強化する必要があるなど、今後の課題を指摘されました。

 休憩後総会は、池田寛事務局長からの総会議案提案、色部祐事務局次長からの1999年会計報告と2000年予算案提案、小滝勝弥監事からの会計監査報告を受けて討論に入りました。 討論は時間的な制約もあって発言予定の申告のあった6名の代議員の発言に絞られましたが、総会直前に結成された名古屋・港地域健康センターと神奈川センターの代表、ノーモア過労死を訴えつづけている東京と石川の過労死家族の会、けい腕と腰痛の二つの裁判で勝利をかちとった京都府高教、2000名規模のセミナーを成功させた九州セミナー実行委員会の代表など、いずれも方針を支持し、深める充実した内容の発言でした。

 総会議案、会計報告・会計監査報告・予算案がそれぞれ全体の拍手で確認されたあと、役員名簿にそって新役員の選出がおこなわれました。 ひき続き、退任役員・新役員のあいさつがあり、最後に、長谷川副理事長が「この一年間はあっという間に過ぎたが、少なからぬ成果もあげることができた。ILOが掲げている“労働の人間化”をめざし、それを可能とする社会をめざしていきたい」という閉会あいさつで結び、総会を終了しました。