過労死も労災職業病もない21世紀をめざす「全国センター」が正式発足
−待ちに待った、センター旅立ちの日−

 12月15日午後、都内フロラシオン・青山で「働くもののいのちと健康を守る全国センター」の結成総会が開かれ、全国各地から96団体の代表と医師・弁護士・学習等専門家、過労死家族・トンネル人肺請求団などを含め200人余が出席。昨年の12月10日の設立準備会発足から1年間の準備活動が実り、各方面から熱い期待のなかで正式発足し、「働くもののいのちと健康・権利をまもり、人間が尊重され、安心して働ける職場、社会の建設を、過労死も労災職業病もない21世紀をめざし、積極的に活動する」との設立宣言を採択した。
 ILOをはじめ世界労連、国際労連、フランスCGT、インド全国労組センター等の海外組織からメッセージが寄せられるなど、国の内外から注目をされるなかで全国センターは始動した。
 結成総会は、色部準備会事務局次長が開会を宣言。民法労連・井戸、大阪安全センター・北口両氏を議長団に進行。江尻運営委員長が準備会を代表してあいさつをおこない、続いて池田事務局長が総会議案を提案した。岩崎通信労組委員長、富田北海道職対連事務局長、倉本全商連共済常務理事の3名が会場発言し、センターの役割を強調した。
「規約」を承認したあと、葛西副運営委員長が役員を提案。選出された役員を代表して山田理事長があいさつ、細川汀先生のメッセージを紹介しながら、89年に総評時代の安全センターが解散して以来、全国センターの成立にかけてきた熱い思いを語りました。
 設立宣言案を京都職対連・清水事務局長の提案で採択し、最後に長谷川副理事長が閉会あいさつをおこなった。そのあと、埼玉大学名誉教授・曄峻淑子先生の記念講演「人間らしく働くとは」があり、多くの感銘を与えた。

細川先生からのメッセージ
 「待ちに待った全国センター出発のこの日に」−私の脳裏に、粉じんの立ち込める鉱道や光熱の船底に働く人々、休む間もなく日夜つないで走るトラック運転手、交換手や保母のからだのいたみ、そして労働者のいのちと健康を守るたたかい、いろいろなことが浮かんできます。この人たちの思いをこめて、今日新しい決意をこめてしっかりとみんなが手をつなぐことができた。この日がわが国の労働運動の歴史的な日になることにちがいないでしょう。いや、来るべき世紀を働くものにとって希望と未来のあるものにするために、この運動をすべての職場を地域における日常的な活動にまでしっかりと根を下ろしましょう。この日を心からお祝いしたい、と思います。

ILOからのメッセージ
 「…略… 働くもののいのちと健康を守る全国センターが社会と職場における健康障害を予防し、職場における安全と衛生を確保することを目的に結成されることを知り、私は勇気づけられています。 …略… 結成総会が大きな成功をおさめることを祈念するとともに、ILO労働者活動局がみなさんのセンターと協力する用意があり、またそのことを喜んでいることをお伝えします。」

喜びにつつまれた結成記念レセプション  
 結成総会に続き別会場で開かれた「結成記念レセプション」には、全労連・小林議長、全日本民医連・阿部会長、全商連・杉山副会長、日本共産党・小池参議院議員の各氏が参加、全国センター結成を共に喜び合った。
 トンネルじん肺請求団、過労死家族の会、九州セミナー実行委員会の代表などが次々にお祝いのスピーチをおこない、過労死弁護団の岡村弁護士からは、とっておきの隠し芸の「一番鶏の鳴き声」が披露されるなど、会場全体が明るい喜びにつつまれました。

第1回常任理事会を1月27日に開催
 理事長・副理事長・事務局長・事務局次長の4役8名、理事33名、監事2名の理事会43名を選出、理事会では24名の常任理事を互選した。
 第1回常任理事会を1月27日に開き、総会できめた「活動方針」の具体化をはかり、さっそく全国センターの役割を発揮することにしている。